募集の時の条件と異なる労働条件での雇用契約は有効か?
社長 こんにちは。
Aさんを採用しようと思っています。
中川 はい。
社長 Aさんは62歳です。
中川 はい。
社長 Aさんを採用したいのですが、ちょっと不安があります。
中川 はい。
社長 それで1年契約にしたいのです。
中川 はい。
社長 実は、募集の時は定年なし、雇用期間の定めはないとしています。なので、1年契約にするということは、募集の時と条件が違います。それはダメですか?
中川 それはダメです。
社長 しかし、今、なかなか求人にたいして応募がないのです。なんとか、採用したいのです。
中川 であれば、定年なしで雇用契約すればOKです。
社長 うーん、はっきりは言えないのですが、なんとなくAさんに不安があるのです。もちろん、ちゃんと仕事をしてもらえば、定年なしでもよいのですが。
中川 であれば、Aさんに定年なしで募集したが、1年契約で採用したいと伝えましょう。
社長 それで、イヤだと言われたら。
中川 採用は見送りましょう。
社長 OKであれば?
中川 採用の時の労働条件と異なってもOKです。
社長 注意点はありますか?
中川 雇用契約書を取り交わしましょう。そこに、1年契約であることを明記しましょう。
社長 わかりました。
本日の記事は、福祉事業者A苑事件(H29.3.30京都地裁)を参考にしました。
事件は62歳の方が定年がないことに魅力を感じ、現在の勤務先を退職して入社しました。
しかし、実際は1年契約だったことから募集時の労働条件と違うということで訴訟になり、会社が敗訴しました。
募集時の労働条件と異なる採用をする場合は、本人の了解を得て、雇用契約書に明記しましょう。
雇用通知書ではなく雇用契約書が良いです。
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