車の修理代を社員に弁償させることは違法か?
社長 こんにちは。
A君には困ったものです。
中川 何が困ったのですか?
社長 また、車をぶつけて修理をしなければなりません。A君は年に数回そのようなことがあります。
中川 それは困ったのですね。
社長 で、修理代がバカにならないので本人に弁償してもらいたいと思います。
中川 今までは修理代は会社が払っていたのですか?
社長 そうです。
A君以外でも事故を起こすことがあります。事故は滅多に起きないし、仕事中のことなので全額会社が負担して修理しています。
中川 で、修理代を弁償してもらいたいと考えているのですね。
社長 A君はたびたび事故を起こすので反省の意味を含めて修理代を弁償してもらいたののです。
中川 そうですか。
法的には弁償させることは問題ありません。
社長 でも、以前に何かのセミナーで弁償させるのはまずいような話を聞いたような気がするのですが。
中川 労働基準法では賠償予定を禁止しています。しかし、実際の修理代を弁償させることは問題ありません。
社長 賠償予定とは何ですか?
中川 たとえば、車を破損させたら一律10万円と一定額を定めたものを賠償予定といいます。
社長 たとえば修理代が5万円でも10万円の弁償となるのですか?
中川 そうです。
社長 なるほど。
それはまずいですね。
中川 そういうことです。
実額を弁償させることはOKです。
社長 ところで修理代は全額負担しても良いのでしょうか?
中川 全額負担させても良いです。しかし、多くの会社は一部負担としています。
社長 そうですか。
どのくらいの割合で負担させていますか?
中川 統計を取ったことがないのでわかりません。10パーセントとか20パーセント程度です。
会社にも管理責任がありますので、全額負担はさせないほうがいいでしょう。
社長 参考にします。
労基法では賠償予定を禁止しています。
それは、実害額にかかわらず一律に賠償額を定めることの禁止です。
しかし、実際に発生した修理代に基づきその都度損害賠償額を決定して本人に請求することはOKです。
会社の管理責任がありますので全額の弁償をさせないようにしましょう。
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