もりもり君096【就業規則】

社長　こんにちは。
Ａさんについて相談です。

中川　はい、なんでしょうか？

社長　Ａさんが再婚しました。

中川　そうですか。

社長　Ａさんが結婚休暇を申請してきました。

中川　そうですか。

社長　Ａさんは2年前に結婚して結婚休暇を5日与えました。

中川　はい。

社長　一年前に離婚をしての再婚です。
2回目の結婚休暇は認めたくありません。

中川　どうしてですか？

社長　結婚休暇は末永く添い遂げることを願って与えています。それを簡単に離婚をして、勝手に再婚をして、しかも結婚休暇をくれとは、自分勝手すぎます。

中川　結婚休暇は何日ですか？

社長　5日です。

中川　就業規則を拝見します。

社長　どうぞ。

中川　結婚したら5日付与すると書いてありますね。

社長　そうです。

中川　どこにも、末永く添い遂げることを願ってとは書いてありませんね。

社長　書いてありませんが、そういう趣旨で結婚休暇を与えています。

中川　であればそういうことを就業規則に記載しなければなりません。
御社の就業規則は結婚したら5日の特別休暇を与えるとしか書いてありません。再婚でも特別休暇を与えることになります。

社長　うーん。では、譲って、
再婚の場合は3日の特別休暇を与えることで手を打っていただけませんか？

中川　あのう、私がどうして手を打つのですか？私は部外者です。

社長　いやいや、相談のつもりです。

中川　そうですか。
しかし、再婚の場合は3日にするとは書いてありません。再婚であっても再々婚であっても申請があれば、5日の特別休暇を与えなければなりません。

社長　では、どうすればいいですか？

中川　就業規則を改定することです。たとえば、初婚の場合は5日、再婚の場合は3日とか。

社長　そうですか。
では、就業規則を改定します。ところで、他社の就業規則はどうなっていますか？

中川　ほとんどの会社は御社と同じで、再婚について記載されていません。
しかし、記載している会社もありますよ。

社長　そうですか。
記載している会社の再婚の場合に与える日数はどうなっていますか？

中川　少なくなっていますね。

社長　なるほど。

中川　しかし、再婚の場合は日数が減るというのは変でしょう？

社長　どうしてですか？

中川　結婚による特別休暇はお祝いですよね？再婚の場合は、そのお祝いの価値が下がるのですか？

社長　うーん。初婚と比べると鮮度が落ちます。
鮮度が落ちたら、スーパーでは商品の価格を下げます。

中川　これはまた、結婚と鮮魚を同じに扱うとはびっくりですね。
では、初婚の相手が再婚者だったら鮮度はどうなるのですか？

社長　うーん。
微妙ですね。

中川　初婚、再婚で差をつけることはないと思いますよ。結婚、離婚、再婚に本人は重大決意をしていると思います。結婚を祝う特別休暇に差をつけるのは賛成しかねます。

社長　わかりました。
Ａさんの再婚も規定どおり5日与えます。

中川：それがいいでしょう。