なんでもかんでも質問をする部下
社長 こんにちは。
A君のことで相談です。
中川 はい、なんでしょうか?
社長 A君は上司にいつもこれはどうしましょうか?と聞いています。
中川 勝手なことをされるよりいいでしょう。
社長 それはそうです。
しかし、何でもかんでも聞くのです。それで上司はかなりの時間をとられています。それがストレスにもなっているようです。
中川 へえ、たとえばどんなことですか?
社長 たとえば、お客への提案書は小冊子形式がいいか、レポート形式がいいかと聞くのです。また、横書きがいいか縦書きがいいか、用紙のサイズはA4でいいかなど。
中川 それは基本的なことですから、質問をするのは当然でしょう。
社長 それはそうです。
しかし、同じような内容の提案書を作成する場合もいちいち上司に確認するのです。
中川 それはちょっと困った人ですね。
昔「指示待ち族」という言葉がはやりましたね。その典型ですね。
社長 そうですね。
どうしたものでしょう?
中川 うーん。
それは上司にも問題がありますね。
社長 上司に問題ありですか。
どうしてですか?
中川 部下を育てようという気持ちがないからです。A君の質問に答えるだけです。
だから、A君は上司に確認するクセがついているのです。
社長 でも、質問や相談があったら上司としてはちゃんと答えを出さなければなりません。上司に問題があるとは思えません。
中川 最初は質問に答えなければなりませんが、わかりきっていることまで繰り返し質問をするのは上司の責任です。
社長 そうですか。
どうしたいいでしょうね?
中川 社長はどうしたらいいと思いますか?
社長 本人に自覚をさせなければなりませんね。別室に呼んで指導します。
中川 どんな風にですか?
社長 うーん。
同じ事を何度も聞くものではない。上司は忙しいからと説明します。
中川 ということです。
社長 はあ?「ということです」とはどういうことですか?
中川 社長からA君のことについてどうしたらいいか質問を受けました。
その質問に対して中川はなんと答えましたか?
社長:えーと。
答えていませんね。
社長はどうしたらいいと思いますか?と聞きましたね。
中川 そうです。
そうしたら社長はご自分の考えを述べられました。
社長 それは質問をされたからです。それがどうかしましたか?
中川 上司にそうさせるのです。
社長 ????
中川 A君から質問なり相談があったら「君はどう考えるか?」と聞き返すのです。
そして、よほどのことがない限りA君の考えどおりでするように指示を出します。
社長 それで?
中川 そうすると、A君は上司に相談をしても君はどう考えるかと聞かれることを学習します。それで上司に相談する前に自分ならどうするかと考えるようになります。
社長 そうかもしれませんが、質問をするクセは治らないのでは?
中川 治る保証はできませんが、自分で考えるクセがつきます。
しかも、A君の考えを上司が承認する確率が高いことが繰り返されると、A君は重要でないことは次第に相談をしなくなると思います。
社長 ふーん。
では、上司に「A君はどう考えるのか?」と逆質問をさせてみます。
中川 試してください。
部下は上司の指示どおりに仕事をするのが楽なのです。
仕事で面倒なのは考えることです。
また、自分が勝手に判断したことで上司から叱られると自己保身のために上司の指示待ちとなります。
難しいテーマです。
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