台風の影響で出張先のホテルに滞在した場合
社長 こんにちは。
Aさんについて相談です。
中川 はい、なんでしょうか?
社長 Aさんに沖縄に出張してもらいました。
しかし、帰社予定の日に台風の影響で飛行機が欠航となりました。そのため出社していません。
その場合の賃金は払う必要がありますか?
中川 Aさんはその日はどうしたのですか?
社長 沖縄のホテルで仕事をしていたようです。
中川 どのようにして仕事をしていたのですか?
社長 Aさんはノートパソコンを持参しています。だから、案件の処理などをしていたようです。
中川 そうですか。
であれば、出勤扱いにして給料を払ったらどうですか?
社長 しかし、フルタイムで仕事をしたとは思いません。
それに仕事の指示をしていませんし。
中川 要するに給料を払いたくないということですか?
社長 そうではありませんが、台風の影響で飛行機が欠航したのです。
会社責任であれば欠航日の給料は払いますが、不可抗力です。それでも払わなければならないのか疑問に思ったのです。
中川 今回は業務命令による出張先でのアクシデントです。それは会社に責任ではありませんが、Aさんの責任でもありません。
しかも、出張先で仕事をしています。仕事はフルタイムだったかどうかは不明としても、仕事をしています。それなのに給料を払わないのは情けがないと思いますよ。
社長 分かりました。
今回のように出張先でなんらかのアクシデントがあり、出張先で滞在せざるを得なくなった場合の賃金をどうするか悩ましいものです。
法律論としては、会社に責任がありませんから、当日の賃金は払う必要はありません。また、休業手当も払う必要はありません。
しかし、それは法律論の話です。会社の業務命令で出張したのですから、従業員が当日を出勤扱いにして欲しいと思うのは人情です。
今回の事例はノートパソコンを持参していましたので、仕事をしようとすればできる状態です。
会社として滞在中にして欲しいことを指示して労働時間として扱いとするのが良いでしょう。
もし、そのような仕事を与えられない場合は、振替休日とする、本人が了解するなら年次有給休暇にすることが考えられます。
振替休日や年次有給休暇であれば、観光や昼間からの飲酒など、自由にすごしてもらえます。
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