アルバイトが遅刻をしたら時給を10円下げたい
社長 こんにちは。
アルバイトの遅刻について相談です。
中川 はい、なんでしょうか?
社長 当社はアルバイトが正社員より多いのです。最近のアルバイトは自覚がないので困っています。
中川 遅刻が多いのですか?
社長 そうです。
それで、遅刻をしたら時給を10円下げるようにしたいと考えています。
そうすれば、遅刻をする人が減ると思うのです。これは問題ありませんか?
中川 遅刻をした場合でも遅刻した時間も払っているのですか?
社長 もちろん、払っていません。
それだけだと痛みがないからだと思うのですが、遅刻をすることが悪いとは思っていないようなのです。
中川 それでは、遅刻した時間を払わない上に、時給を10円下げるのですね。
2回遅刻をしたらどうしますか?
社長 さらに10円下げます。
中川 それでもさらに遅刻をしたら?
社長 さらに下げます。
中川 それを繰り返すとどうなりますか?
社長 極端な話、時給がゼロになりますね。
中川 それは極端ですが、注意しなければならないのは最低賃金を下回る可能性があります。最低賃金を下回る時給は違法です。
社長 そうですか。
では、最低賃金は守ることにします。当社は最低賃金よりちょっと高い時給なので注意します。
中川 それから、今までは遅刻をしても時給が下がらなかったのですから、遅刻1回で時給を10円下げることは不利益変更となります。
社長 アルバイトでも不利益変更となるのですか?
中川 法律にはアルバイトとか正社員という区分はありません。働く人は平等に法律が適用されます。
社長 では、遅刻1回で時給10円下げることはできないのですか?
中川 アルバイトに説明をして同意を得ましょう。そうすれば可能です。
社長 同意しない場合は?
中川 ムリに時給を下げると不利益変更と訴えられる可能性があります。その場合は会社が不利です。
社長 アルバイトなのでそう長くは働きません。そのうち退職するでしょうから、それまで待ちます。
中川 それがいいでしょう。
新規のアルバイトには採用時に遅刻1回につき時給10円減ることを労働契約書に明記しましょう。
社長 分かりました。
中川 ところで、社長。
遅刻と言ってもいろいろあります。
社長 遅刻にもいろいろあるといいますと?
中川 たとえば、
1.電車やバスの遅延による遅刻
2.交通の混雑による遅刻
3.学業の都合から事前に連絡した遅刻
4.体調が悪かったがムリして出勤したことによる遅刻
などです。
このような場合の遅刻でも時給を10円下げるのですか?
社長:その理由で遅刻をしたとして下げると理不尽だと言われますね。
中川 多分、アルバイトはやる気を失って辞めていきますよ。
社長 つまり、遅刻をした理由だけで時給を下げるのではなく遅刻の理由を把握すべきだということですね?
中川 ピンポーン!
社長 分かりました。
飲食などの業種では遅刻をしたら時給を下げることはよく行われています。
あるアルバイトの話では、気ままに遅刻をされると仲間であってもハラが立つので時給を下げることは賛成だが、遅刻を事前に連絡したあるいは交通などの不可抗力による遅刻でも事務的に時給を下げらたので、すぐに辞めたとのことでした。
あなたの会社のアルバイトの遅刻はどうように運用されていますか?
もりもり君レンタル!
人事労務系4コマ漫画「もりもり君」はレンタルで、社労士さんが発行されるニュースレターやWEBサイトの記事にご利用いただけます。
詳細はお問い合わせフォームからご連絡願います。
4コマ漫画+テキスト
1話 4,000円(税別)
12話以上まとめてレンタル
1話 3,000円(税別)