禁止できるか
社長 こんにちは。
Aさんについて質問です。
中川 はい何でしょうか?
社長 Aさんが副業を申請してきました。
中川 なぜ副業をするのですか?
社長 残業代が減ったからというのです。
中川 で、Aさんの副業を禁止したいのですか?
社長 そうです。
中川 Aさんが副業をしたい理由は何ですか?
社長 Aさんの給料は手取りで30万円前後です。
中川 残業が減る前はいくらだったのですか?
社長 手取りで45万円ありました。
中川 それは大幅なダウンですね。
しかし、手取りで30万円あればなんとかなりそうですね。
社長 Aさんは離婚していて元妻に子供の養育費、生活費、その他に住宅ローン、両親への仕送りなどの負担があるので、副業をしないと生活が成り立たないそうです。
中川 そうですか。
Aさんの副業は何ですか?
社長 Aさんはトラックのドライバーです。副業はラーメン店でAさんの休日だけアルバイトをするから会社には迷惑をかけないと言うのです。
中川 そうですか。
トラックの運転に悪い影響があるのでしょうか?
社長 もちろんです
休日にアルバイトをされると疲労で交通事故で起こす可能性が高くなります。そのようなリスクがありますので、副業を禁止したいのです。
中川 御社の就業規則を拝見します。
(拝見)
副業をする場合は会社の許可を得るようにとありますね。
社長 それで副業の申請をしてきたのです。
しかし、会社としては許可したくありません。
中川 であれば、許可しないで良いです。
ただし、仕事をはなれた休息時間や休日はどのように過ごすかは従業員の自由です。仮にそれがアルバイトであったとしても自由です。
しかし、その副業で業務に支障を来すこと、そして就業規則に副業は許可制にしているので許可しなくてもよいです。
社長 わかりました。
中川 しかし、Aさんが不服として裁判になったらどうなるかはわかりませんので念のために申し添えます。
その理由は、労働時間以外は本人の自由があるからです。
本日の事例は「マンナン運送事件」を参考にしました。事件は本人のアルバイト申請に対して会社が許可しないのは不当だという訴えでした。
裁判所は、副業を申請方式にすることは妥当性があるが、副業を認めない理由に合理性がないということで慰謝料の支払いを命じました。
合理的な理由とは
1.副業が不正な競業に当たる場合(たとえば同業種で働く)
2.営業秘密の不正な使用・開示を伴う場合
3.労働者の働き過ぎによって人命または健康を害するおそれがある場合
4.副業の態様が使用者の社会的信用を傷つける場合
などとし、それに該当しないので慰謝料を払うようにとなりました。
対応策としては、副業を認める場合は自己責任で労働時間を管理することの誓約書をとることがよいでしょう。しかし、そうしたとしても副業による長時間労働が原因で事故を起こした場合、事業主の安全配慮義務は軽減されるものの、免除されないことは覚悟してください。
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