楽観バイアス
社長 こんにちは。
安全は難しいですね。
中川 また、急になんですか?
社長 当社は高所作業が多いのです。
中川 そうですね。
危険な作業ですね。
社長 それでヘルメットや安全帯の装着を義務づけているのですがちょっと目を離すとヘルメットをかぶっていなかったり安全帯を使わないのです。
注意をすると改まるのですが、また元の戻ります。
中川 安全対策はイタチごっとのようなところがありますね。
社長 墜落事故があったら重傷、場合によっては命を失います。
自分の体を守るのだから安全具はちゃんと使うのは当たり前だと思うのですが…。
中川 そうですね。
そこが難しいところですね。
社長 なにかいい方法はありませんか?
中川 それがあれば苦労はないのですが。
ところで「楽観バイアス」ということをご存じですか?
社長 知りません。
中川 「人間は自分の命を脅かす」情報を与えられても、身を守る行動には繋がらないということで、これには「楽観バイアス」という人間特有の心の作用が影響しているものと考えられます。
人間は自らの行動性を高めるために、自分が死ぬ姿をうまく想像することができない特性を持っており、そのために高所から墜落することがわかっても、それを自分のこととして、うまく認識できないのです。
社長 自分だけは大丈夫だと思うのですね。
中川 それがあるから人間は生きてけるのです。
社長 自分だけは大丈夫と思うから安全具をつけないのですね。
中川 そうなんです。
社長 そうなんですと開き直られても。
事故が起きてからでは手遅れです。
なにかいい方法はありませんか?
中川 あります。
社長 え!教えてください!
中川 子供のいる人は子供の写真を会社に持ってこさせます。
社長 子供の写真ですか?
中川 寝顔の写真がいいです。
社長 子供のいない人は?
中川 恋人や奥さん、父母などの写真です。
社長 それをどうするのですか?
中川 朝礼の時にその写真を見てから現場に行かせるのです。
社長 なんのために?
中川 安全具を使用させるためです。
社長 写真を見たら安全具を使用するようになるのですか?
中川 そうです。「楽観バイアス」があるので自分は大丈夫だということから安全具を使わないのです。
しかし、子供、家族のためなら安全具を使うのです。だから、仕事を始める前に家族の写真を見るのです。
社長 「楽観バイアス」があるので、自分のことでは身を守らないが家族のためなら身を守るということですか。
中川 そういうことです。
本日の記事は「ためしてがってん」の「これだ!快感防災テク」の番組からヒントを得たものです。
安全対策として有効かどうかは検証していませんので、中川の想像でしかありません。しかし、有効なような気がします。
番組では地震対策としての家具等の転倒防止対策をしない人間の心理があるが子供のためなら行動を起こすということでした。
あなたの会社は従業員が安全ルールを守らないで困っていませんか?
困っているのであれば家族の写真は効果があるかもしれませんね。
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