インフルエンザによる休業の賃金は?
社長 こんにちは。
読者から質問があるそうですね。
中川 はい、匿名希望さんからです。
いつも為になる情報ありがとうございます。スタッフに聞かれても説明に困らなくなりました。教えてほしいことがあります。
インフルエンザなどの感染症にかかった場合、医師から会社に行くな、会社からもくるなと言われますが、当社では有給休暇扱いで休んだ分を処理してます。しかし、考えようには、会社からくるなと言われているので、会社の命令で休んでいるので、出勤扱いでいいように思うのですが。
他の会社はどうなっているのでしょう?あと、長期で休む場合は診断書の提出を就業規則で明記してます。その場合の診断書の費用は会社持ちにしてますか?
こういうこともありますね。年休で処理することは問題ないのですか?
中川 問題ありません。
年休は本人が自由に取得できますので。
社長 今回の質問は医師も会社も会社に行ってはいけないと言われているので出勤扱いにすべきかもということですね。
中川 出勤扱いにすべきではありません。
社長 どうしてですか?
中川 出勤扱いをしても違法ではありませんが、労務管理上好ましくないからです。
社長 労務管理上どうして好ましくないのですか?
中川 インフルエンザといっても病気で欠勤するのと同じだからです。
インフルエンザに罹っていると正常な労務を提供できません。事業主としては労務の提供を拒否できます。
しかがって、休む場合は欠勤扱いとなります。欠勤する代わりに年休を取ることは本人の自由です。
社長 でも、インフルエンザは本人が好き好んでなったわけではありません。
それでも、欠勤扱いですか?
中川 たしかに、インフルエンザに好きでなる人はいないでしょう。
でも、それは他の病気やケガで休む場合も同じです。
社長 なるほど。では、たとえば家族がインフルエンザに罹ったので予防的に出勤停止を会社が命じた場合はどうですか?
中川 会社が事業主の責任で休業を命じた場合は休業手当を支給する義務があります。本人がインフルエンザに罹った場合は事業主の責任はありません。
しかし、インフルエンザに罹っていない従業員を予防的に休業させる場合は事業主の責任となります。
だから、休業手当の支給をしなければなりません。
社長 休業手当とはどうやって計算するのでしたっけ?
中川 平均賃金の60%以上です。
平均賃金は3ヶ月分の賃金(通勤手当、残業手当等も含む)を歴日数で割って1日当たりの平均賃金を算出します。
社長 そうですか。
ところで、診断書の費用負担は会社ですか?
中川 診断書の費用は本人負担となります。
社長 どうしてですか?
中川 労働者は労務の提供をする義務があります。
労務の提供を長期にわたってできないのですからその証明を自分でする必要があります。
社長 なるほど。
会社が負担することは違法ですか?
中川 会社負担にしても違法ではありません。
インフルエンザに罹患したための休みは欠勤扱いにするのが一般的です。
本人が年休を取ることは可能です。
インフルエンザの罹患予防のために会社が休業を命じる場合は休業手当を払う必要があります。
診断書の費用は特段に会社が求めない限り本人負担とするのが一般的です。
ご質問のように出勤扱いにする、診断書の費用を会社負担にすることは違法ではありません。
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