平等主義はくそ食らえ
社長 こんにちは。
今日は社員への接し方で質問をします。
中川 社員への接し方ですか、難しそうですね。
社長 悩んでいます。
中川 どんなことですか?
社長 A君はとても素直でまじめで仕事熱心です。
B君はだらしないところがあり、仕事も手抜きをすることがあります。
中川 はい。
社長 で、悩みはA君がミスをしたら「今度は注意しろ」と軽く注意します。
しかし、同じようなミスをしてもB君の場合は腹立ち紛れに声が荒くなります。また、ついつい長く時間説教をしています。
中川 はい。
社長 同じミスをしたのであれば平等に注意をすべきだとは分かっていますがB君の場合は許せないという気持ちになるのです。
これではまずいと思うのですが、修行が足りません。
中川 A君とB君でなぜ注意の仕方に差をつけるのですか?
社長 B君がミスをすると、それ見たことかという感情がわき起こるのです。
しかし、A君の場合は、たまにはしょうがないかと思うのです。それでついつい注意の仕方に差がつくのです。
中川 なるほど。
それで注意に差をつけたら何か困ることがありますか?
社長 たぶん、B君はなぜ自分だけこんなに叱られるかと疑問に思っているでしょう。彼のモチベーションに影響があると思います。
中川 それだけですか?
社長 それにB君の回りにいる社員達もA君との差について疑問に思うでしょう。
つまり、平等に叱らなければ社内の雰囲気が悪くなると思うのです。
しかし、私の感情がB君を許せないのです。
中川 なるほど。
社長が心配しているのは、えこひいきをしたら労務管理に問題が出るのではないかと言うことですね。
社長 そうです。
やはりまずいですよね。
中川 社長、変な平等主義はくそ食らえです。
社長 はあ?
中川 社長の気持ちは当然です。
普段まじめなA君と、普段からチャランポランなB君では同じようなミスをしても注意の仕方が違うのは自然です。
社長 今のままで良いですか?
中川 そのままでいいですよ。それが平等です。
まじめなA君と不真面目なB君ではしかり方に差をつける、これこそ平等です。
社長 そうですか。
イマイチ合点していませんが。
中川 たとえばある社員が無断欠勤をしたとしますね。
始末書を取って注意をしたとします。
で、また無断欠勤をしたら社長、どうしますか?
社長 二度目は許せません。
そうですね。
減給処分にします。
中川 でしょう?
ということです。
同じ無断欠勤をしても一回目と二回目では扱いが異なります。
それが平等です。
逆に1回目の始末書だけ、2回目も始末書だけというのは
表面的には平等ですが、外見だけ平等なだけで実際は悪平等です。
社長 A君とB君は普段の行いが違うからしかり方も差をつけてもOKということですか。
中川 そうです。
社長は意識していませんが、無意識に平等に扱っているのです。
しかり方に差をつけているのが平等だと言うことです。
A君とB君への注意の仕方が平等であることは逆に不平等だと言うことです。
社長 なるほど、確かに無意識的に差をつけていますね。
中川 理由のあるえこひいきは大いに結構です。
(中川コメント)
感情にまかせて怒るのはいけないと本に書いてあります。
しかし、なぜそのような感情が生まれるかを知るべきです。
会社に貢献している社員と、そうでない社員では
取り扱いが異なるのは当然です。
平等がひょとしたら悪平等かもしれません。
©中川式賃金研究所 画屋(かくや)
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