請負会社の社員の労災について
中川 こんにちは。
社長 こんにちは。
今日は請負会社の労災について質問です。
中川 労災とは穏やかではありませんね。
社長 うちの製造ラインの一部を請負でお願いしています。請負会社はA社です。ケガをしたのはA社のBさんです。
中川 Bさんケガはどの程度ですか?
社長 落下して骨折しました。
中川 仕事はどんな仕事ですか?
社長 機械の点検中に転落しました。
中川 安全帯は着けていなかったのですか?
社長 そこが問題なのです。
高さが3メートルあります。
うちでは高所作業は安全帯の着用をやかましくいっているのです。
しかし、残念ですが守ってくれない人がいました。それで骨折です。
中川 安全対策は難しいですね。
社長 それで、気になるのが労災の取り扱いです。うちの会社で起きた事故なのでどうしたらいいのかと。
中川 労災保険の適用ですか?
社長 ああ、そうそう。それです。
中川 BさんはA社の社員であって、社長の会社の社員ではありません。
したがって、労災保険はA社が適用します。
社長 うちに責任はありませんか?
中川 請負ですよね?
A社が仕事を請け負っているのですから、A社の責任です。
社長 でも、安全帯の着用を厳しく管理していませんでした。
中川 普段、やかましく言っているのでしょう?
社長 そうです。
安全衛生委員会には協力会社のA社にも出席してもらっています。
でも、安全帯を着けなかった。私の指導不足です。
中川 そうですか。
でも、社長、ご自身を責めすぎですよ。安全管理はしっかりおやりになっていると思いますよ。
社長 そう言っていただけると気が楽になるのですが。
中川 再発防止をちゃんとしましょう。
社長 そうですね。
徹底しないのが悩みです。
中川 そうですね。
徹底が難しいですね。
社長 では、今回の労災はうちはいっさい関係がないということで良いですね。
中川 はい、それでOKです。
今後のことですが、もし、設備に重大な欠陥があり、それを知りつつ放置して起きた労災の場合は、A社だけではなく社長の会社にも安全配慮義務違反を問われることがあります。これからも安全対策をとってください。
社長 わかりました。
請負会社の労災は請負会社で処理するのが原則です。
(建設等例外はあります)
しかし、設備の重大な欠陥などがありながら、仕事をさせた場合は、発注した会社にも安全配慮義務違反を問われることがあります。
法的に安全配慮義務違反であるという次元ではなく、働く人には請負会社も含めてケガのないような職場作りをすることが大切ですね。
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