指導を徹底的に拒むとどうなるのか
社長 こんにちは。
大きな声では聞けないのですが、労働基準監督署の指導に徹底的に拒否するとどうなるのですか?
中川 たとえばどのような指導ですか?
社長 たとえば、賃金不払いです。
中川 払わなかったら労働基準法違反で逮捕されます。
社長 逮捕されたら留置所に入れられるのですか?
中川 はい。
社長 労働基準監督署には留置所があるのですか?
中川 ありません。
社長 だったら逮捕されることはないでしょう。
中川 留置する場合は警察とタイアップします。
社長 では、警察署の留置場に入れられるのですね。でも、逮捕されたと聞いたことがありません。
中川 めったに逮捕しません。
社長 だったら、労働基準監督署に賃金不払いだから払えと指導されたとしても無視しても特におとがめはないのですね。
中川 そうは問屋が卸しません。
社長 でも逮捕されることはないのでしょう?
中川 逮捕されることもあります。
しかし、逮捕うんぬんより事業が成り立たなくなります。
社長 労働基準監督署が会社を封鎖するのですか?
中川 労働基準監督署にはそのような権限はありません。
社長 それでどうして事業が成り立たなくなるのですか?
中川 賃金不払いの訴えがあったので事業主に払うように命じた事例があります。しかし、事業主は払いませんでした。
それで、督促をしても「お金がない」と開き直りました。
社長 そこまで抵抗するのですか…。
中川 労働基準監督官は刑事手続をするために証拠物の任意提出を求めましたが応じませんでした。
その結果、強制捜査による証拠物の収集を開始しました。
社長 それはまずいですね。
中川 金融機関や取引先への聞き込み調査を開始しました。
社長 まるで刑事ドラマですね。
中川 その結果、不正なお金の流れが判明しました。裏で違法賭博をしていることも露見しました。
社長 それで?
中川 まず、聞き込みを受けた銀行はその会社との取引を停止、聞き込みを受けた取引先もこれ以上はまずいと取引を停止し、ますます事業が悪化しました。
社長 それで、事業が成り立たなくなったのですね。
中川 結果的に事業所を閉鎖せざるを得ませんでした。
社長 労働基準監督署に反抗してはいけないのですね。
中川 労働基準監督官も人ですから、間違いもあります。間違った場合はその旨の反論をすればよいのです。
そうではなく、違法であることを承知で指導に従わないので悪質だということで強制捜査になったのです。
社長 労働基準監督署には抵抗しない方がいいですね。
本日の記事は元労働基準監督官の体験を記事にしたビジネスガイド3月号の記事を参考にしました。
詳しくは本紙でご確認ください。
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