タイムカードのとおり支払えと言われた
社長 こんにちは。
読者から質問があったそうですね。
中川 はい、つぎのようなものです。
匿名希望です。
いつもメルマガありがとうございます。ここで伺ってよい質問かどうかためらいますが・・・
○○と○○で美容室を営んでおります。労働基準監督署の呼び出しで行ってきました。
是正勧告書がありタイムカードのことについてですが、早朝・残業は別として、勤務時間を超えた時間は一ヶ月分を足して30分以上であれば時間外をつけるとのこと、このようなことを他の会社も励行しているのでしょうか?
それに機械のように皆が同じ時刻に決まった時刻に押せるものなのでしょうか?
ならば、逆に出勤のときに遅い時刻を打ち続けるということは如何なものでしょうか?
あと、もし本人の手書きのタイムカードならOKでしょうか?
宜しくお願い申し上げます。
中川 そうですね。
文面でしか判断できませんがおそらくタイムカードの打刻を基に残業を計算するようにと労基署から言われたようです。
社長 それは当たり前では?
中川 であれば、相談はありませんよ。
たとえば9時~18時の勤務時間だったとしますね。タイムカードの打刻が8時59分で1分始業より早い打刻。終業の打刻は18時1分だったとします。
その前後の合計2分を残業として払えと言うことです。
社長 はあ?
中川さん、それは冗談でしょう?
中川 冗談ではありません。
社長 ああ、それでみんなが同じ時刻に打刻できる訳がないといっているのですね。この女性経営者は。
中川 はあ?どうして女性だと知ったのですか?
社長 いやあ、美容室だからそう思っただけです。そんなことより、この経営者の言うとおりきっちり同じ時間にタイムカードを押せるわけがありません。
労基署は気が狂ったのでしょうか?この暑さで!
中川 気が狂いそうになるのは美容室の経営者ですよ。理不尽だ思っています。
そのとおり理不尽です。
社長 じゃあ、どうしたらいいですか?
中川 最近、美容室のような指摘を受けたということでの相談が増えました。
国の方針が変わったのかと思い、地元の労基署に中川が確認しました。
社長 で、どんな回答でしたか?
中川 地元の労基署ではそんな指導はしないとの回答です。どうやら労基署によって指導が違うのです。
社長 そんな!であれば訴えれば?
中川 それも一つの方法ですが、あまり現実的ではありません。
社長 ちょっと気になるのが30分以上であればという意味です。どういうことですか?
中川 これは労基法で定められています。
1ヶ月を集計して30分未満の労働時間は残業代として払わなくても良いことになっています。
社長 そうですか。で、どうしたらいいですか?
中川 労基署とけんかをするのがひとつの方法です。しかし、相手は労基法の達人です。
素人がけんかをしても負けるでしょう。
社長 弁護士でも雇えば別でしょうが。
中川 で、現実的な対応は手書きすることです。
手書きは本人に書かせましょう。
社長 え、タイムカードは打刻するからタイムカードでしょう?手書きをしたタイムカードではダメなのでは?
中川 そんなことはどこに書いてありますか?
社長 じゃあ、OKですね。
中川 はい、OKです。
本人が手書きをしたら右の空欄に上司の承認印を押すと完璧です。
社長 どうして上司の承認印を押すのですか?
中川 打刻をしない場合は労働時間を現認する必要があるからです。
社長 現認とはなんですか?
中川 従業員がたしかにその時間働いていたと確認することです。
社長 なるほど
1分単位で残業代を払えと指導する労基署が最近増えています。
理不尽な指導だと思いますが、抵抗するのはエネルギーのムダです。
タイムカードに手書きをすることで対応しましょう。
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